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つらいつらいよおじいちゃん!『手紙は憶えている』/クリストファー・プラマー

つらいつらいよおじいちゃん!『手紙は憶えている』/クリストファー・プラマー
マスコミ試写で鑑賞。邦題がイマイチかなーと思っていましたが、見終わってみると、これが内容にあっていて良かったです。ユダヤ人のおじいちゃんが、自分の家族を殺したナチスを探しだして復讐するお話です。

これね、あらすじと、チラシのキャッチコピーから、オチわかっちゃうんですよ。映画見る前「まさか◯◯ではないだろうなあ」と思っていたそのままのオチ。なんだけど、重要なところはそこじゃないと思うので。相変わらずですがオチバレしています。もしかしたらオチバレしている方が楽しめるかもしれない。後述します。

つらいつらいよおじいちゃん!『手紙は憶えている』/クリストファー・プラマー
えっとね、あらすじとかからわからない重要なところひとつは、認知症なんですよ。かなり重度の。ベッドで亡くなった奥さんの名前を呼びながら目を覚ますっていうところから始まるんだけれど、老人ホームなの。そこでもう、うわつらい。ですよ。このつらさは『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件簿』に近いかも。わかんなくなっちゃうから、腕にメモする。お風呂はいる、消えちゃう。

話は前後しますが、最初に、マーティン・ランドーおじいちゃんから手紙を渡されるのね。これのとおりに行動しろ、復讐しろって。クリストファー・プラマーは目を覚ますたび、記憶を失っていて、混乱しているの。だから、手紙の最初には「お前の妻は死んだ。お前は認知症だ」って書いてあるくらいなのよ。そんなおじいちゃんが、銃を買ってターゲットをひとりずつ追い詰めていく……めっちゃハラハラします。サスペンスフルな音楽と演出もあいまって、こちらの不安をかきたててくるんですよね。銃を持ったままカナダに入ろうとする。なんとかバレない。モールで服を買おうとするが、たくさんありすぎてわけわからなくなっちゃう。あることがあって入院するんだけど、なんで入院してるのかわかってないふうで、笑ってる。ここは本当つらかった。おじいちゃんのつらさが凝縮されていた。

ちょいちょい、マーティン・ランドーが電話してきて、状況を確認する。おじいちゃん同士がお電話するのです。かわいいのだが、行われていることは深刻なので、話が進んで欲しいような欲しくないような気持ちになりますね。追われているのもおじいちゃんなわけで、次から次へとおじいちゃんが出てきて、みんな調子悪くて見ていてつらい。

で、オチですが、『イギリスから来た男』『鑑定士と顔のない依頼人』系です。これ、ほんと、すぐわかっちゃうので、何も知らずに見て、なーんだ、ってなる人もいるかもしんない。そう思うと、オチ知ってたほうが楽しめるかもしれないって思いましたね。

『手紙は憶えている』クリストファー・プラマーのおじいちゃんポイント
  • つらい度:星星星星星星

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やさしさふんわりおじいちゃん『ブルックリン』/ジム・ブロードベント

やさしさふんわりおじいちゃん『ブルックリン』/ジム・ブロードベント
アイルランドからアメリカへ移住する主人公を助けるのが、神父のジム・ブロードベントおじいちゃん。
出番はそう多くないものの、主人公が困ると現れるおじいちゃんだよ。

この映画、成長物語+恋愛物語ってかんじだと思うんだけど、あとは、移民として生きていくことを決める意味とかそういうの?だと思うんだけど、とにかくジム・ブロードベントおじいちゃんがかわいかった。
目がくりくりしていて、ふんわりやわらかい雰囲気で、やさしいのだ。
「君のケアを忘れていたよ、大丈夫だと思って。故郷を離れた者の気持ちを忘れていた」みたいなことを言ってくれるの!やさしい!わたしもジム・ブロードベントおじいちゃんにやさしくされたい人生だったよ……。

『ブルックリン』ジム・ブロードベントのおじいちゃんポイント
  • 丸い度:星星星星星
  • 優しい度:星星星星星
  • 見守る度:星星星星星星


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イアン・マッケランとアンソニー・ホプキンス『The Dresser』のトレーラーが来たよ

カテゴリー:イアン・マッケラン
イアン・マッケランとアンソニー・ホプキンス『The Dresser』のトレーラーが来たよ
前にこの映画について書いてから1年! 経っています。やっとトレーラーです。



STARZ PlayかSTARZ On Demandでしか見られないっぽいんですよね。Netflixに来てくれたらなあ……。

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とにかくつらいよつらすぎる『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』/イアン・マッケラン

カテゴリー:イアン・マッケラン
マスコミ試写で鑑賞。
93歳のシャーロック・ホームズが30年前の事件を思い出しつつ本を書くお話です。そう聞くと、

とにかくつらいよつらすぎる『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』/イアン・マッケラン
引退したおじいちゃんが、子供とほのぼの関わりをもちつつ、

とにかくつらいよつらすぎる『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』/イアン・マッケラン
ときにはキリッとおめかしして

とにかくつらいよつらすぎる『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』/イアン・マッケラン
事件の真相を解明する! というお話に思えますが、実際はぜんぜんちがいます。
これね! ちょうつらい。ちょうつらいです。以下ネタバレしています。

一番つらいのは、物覚えが悪くなって、というか物忘れが激しくなってしまっているとこなんですよね。「最後の事件」は確かに「自分が引退するきっかけになった事件」なんだけど、何が起きたのかもう忘れてしまっている。普通忘れませんよね、30年経っていても、引退っていうのは大きな出来事だし、そこへ至った経緯も覚えているわけで、そしたら結果を忘れることは、まあ、ないと言ってよい。

そんな重大事件を忘れてしまっている=認知症を思わせるんですよ。実際、医者にかかっていて、「思い出せない出来事があったら日記に◯書いてね」とか言われてる。その日記がどうなっているか……言わなくてもおわかりでしょう、つらいですよ。
ほかにも、人物の名前を覚えられないので袖口にこっそりメモしたり。まだね、真田広之の名前を覚えられないのは仕方ない(日本人だから馴染みがないし)と思うんだけど、少年の名前をメモするとこはホント胃が痛い。

この映画、同じビル・コンドン監督の『ゴッド・アンド・モンスター』を思わせるところ多いなーって。主演もイアン・マッケランだし、「若いころに出来たことが、年老いたためにできなくなってしまう」っていうの。『ゴッド・アンド・モンスター』のイアン・マッケランは、もっと「老人の嫌なところ」が出ていたけれども、『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』のイアン・マッケランは、「老人の切ないところ」が出ているなーと思いましたね。組む相手が子供だからっていうのもあるのかな。

そうそう、60代のイアン・マッケランと93歳のイアン・マッケランは顔が全然違ってすごい!

『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』イアン・マッケランのおじいちゃんポイント
  • スーツ度:星星星
  • カーディガン度:星星星星
  • えぐってくる度:星星星星星星星星
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クリストファー・リー様と一緒にご飯を食べる妄想短編小説です(食べてない……

 真っ暗な森を歩いています。強い風が吹きつづけ、木の枝がときどき身体に当たります。一本道を進んでいくと森がひらけて、大きなお屋敷がぼんやり見えました。窓からチラチラと光がゆれています。誰か住んでいるのかな。門をくぐり庭へ入ると、思っていたよりも大きなお屋敷が建っていました。壁にはツタが絡まり、屋根は空に届くほど高く、小さな窓がところどころにあります。扉はずいぶんと重そうです。コウモリの形をしたドアノッカーを二回、鳴らしました。音がしない、壊れているのかな。そのとき、扉が内側へ開きました。
 クモの巣が張った大きなシャンデリアが天井から下がり、立てられたロウソクはほとんど消えています。わたしの影は不自然なくらいに濃く長く伸びていました。上の窓から光が見えた気がする。奥の階段はじゅうたんが敷かれて、足音も吸い込まれてゆくようです。影がずっとついてくる。当たり前のことなのに、心臓がどきどきするのを感じます。手すりを握ると、薄くつもっていた埃が舞いました。
 階段は登っても登ってもどこにも着かなくて、やっと通れるくらいの幅になっていました。手すりは消え、左右の壁がせまってきています。戻って別の階段を探そう。ところが、登ってきたはずの階段は、なくなっていました。暗闇がわたしの足をすくいます。落ちてしまう、と思ったとき、誰かがわたしの身体を受け止めました。頬にかかった髪をそっと払う手は氷のように冷たく、わたしは気を失いました。

 どれくらいの時間が経ったのでしょう。わたしは、ふかふかの長椅子に横たわっていました。首筋にすこし違和感があります。触ってみると、ちょっとだけ濡れているようです。ふらつきながら立ちあがり、周りを見渡します。少し離れたところに光が見え、人影が浮かび上がってきました。
 そこには、テーブルと椅子が置かれていて、誰かがチェスをしています。ひとりは、黒いスーツにツヤのあるスカーフをした、少し怖そうな、おひげのおじいさん。ほおづえをついて考えこんでいるみたいです。もうひとりは、濃いグレーのスーツを着た、すごく痩せているおじいさん。チェス盤と、怖そうなおじいさんの顔を交互に見ています。考えこんでいたおじいさんが、何か話しています。痩せたおじいさんは、微笑みながら答えているようです。目の前にいるのに、ふたりともわたしにはまったく気づかないのです。

 後ろに人の気配を感じました。振り返ると、見上げるほどに大きなおじいさんが立っていました。なにも言わずにわたしを見つめています。きっちりと整えられた白髪、襟の立った足首までもある長いマントに蝶ネクタイをしています。骨ばった白い手は杖に添えられていました。おじいさんは片方のまゆげをぴくりと動かして、ゆっくり腕を上げます。長い爪で示された先に、燭台の置かれたテーブルと、椅子が現れました。
 わたしは、椅子に座らなければいけない気がしました。座ってみると、おじいさんは、さっきよりもずっとずっと大きく見えます。おじいさんは少し目を伏せ、マントの中から、ワイングラスとラベルのない瓶を取り出しました。鈍い赤色のワインを注ぎながらわたしに話しかけてきます。でも、その声は聞きとれません。グラスを持つわたしの手が真っ白になっていることに気づきます。口をつけると、生温かく鉄のような味がぴりっとして……これは、ワインじゃない。これは……。

 おじいさんはグラスの中の何かを飲み干し、マントをひるがえしました。その姿は闇に吸い込まれていきます。立ち上がったわたしの手からグラスが滑り落ち、床で砕けたそのとき、テーブルも椅子も消えていました。
チェスをしていたおじいさんたちが、笑い合っているようすだけ見えます。助けて、といくら叫んでも、声が出ません。ふたりはとつぜん笑うのをやめ、同時にゆっくりとこちらを向きました。その顔に表情はなく、ただ、わたしを見ています。ふたりもわたしも動いていないのに、距離だけがどんどん縮まっていきます。
 おもわず逃げようとして転びそうになったわたしの身体を、誰かがそっと抱き上げました。あふれてくる涙でぼんやり歪んで見える誰かの顔。それはさっきの、大きなおじいさんでした。こぼれ落ちる涙を、冷たい手がぬぐいます。
 耳元で、おだやかな低い声がささやきました。

「……そろそろ、夢から醒める時間だね……」

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